2つのタイプの「暴力団排除条項」

 昨日30日は東京出張。金融機関のコンプライアンスに関係する問題について、地方銀行のご担当の方々、弁護士、監査法人のリスクマネジメントを専門にするコンサルタントの先生方とほぼ1日にわたって議論した。帰りの新幹線の中でチェックした商事法務のメルマガ経由で、同じくコンプライアンス問題である工事請負契約約款等へ組み込むことになる「暴力団排除条項に関する参考例(ひな型)」が日本建設業団体連合会から公表されたのを知った。

 この問題については、平成19年6月19日犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」の決定が本格的取り組みの発端であったと思う。金融機関では、金融庁の監督指針の改定を経て、銀行取引約定書に規定する暴力団排除条項の参考例が平成20年11月25日付で全銀協から公表され、今やほとんどの金融機関で採用されている。契約当事者間の約定によって、反社会的勢力の排除を図るもので、この点は日本建設業団体連合会の参考例も同様である。(なお、全銀協は、平成21年9月24日に、普通預金取引・当座勘定取引・貸金庫取引についても、同様の措置を提案している。)
 しかし、両者いくつかの点で違いがある。例えば、全銀協の銀行取引約定書では、取引先または保証人に反社会的勢力の属性要件に該当しないことおよび行為要件に該当することを行わないことを表明・確約させ、これに反した場合は銀行の請求により貸出金の期限の利益を失う旨を規定する。これに対し、日本建設業団体連合会の工事請負契約約款では、反社会的勢力の属性要件または行為要件に該当することを請負契約の解除事由とする。
 具体的運用場面でどのような違いが生じるか、それぞれの条項の法的効果の問題として検討が必要と思われるが、他日を期したい。

 

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このページは、渡邊 博己が2010年5月 1日 09:00に書いたブログ記事です。

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