日々の出来事の最近のブログ記事

P1000066.JPG 今日、食堂に行くと、写真の立て看板が目をひいた。

 救援金の募金活動である。経営学部の学生諸君が中心になり、大学の食堂内で営業しているチャレンジショップ『京學堂』のスタッフの皆さん方がやっていた。日本国内のみならず、世界中から支援の手がさしのべられている。そのような状況下、「私たちに何ができるのか」を考える中での取り組みと聞く。私もいくばくかのご協力をさせていただいた。

 それはさておき、今の立場で、私に何ができるだろうか。

 十数年前に発生した阪神淡路大震災では、勤務していた銀行の法務担当として、日々発生する法務問題と格闘していたことを思い出す。その経験を活かし、今回の出来事についても、なにがしかのお役に立てるような仕事ができればと考えている。

 そんなことを思いながら、本学ビジネスサイエンス叢書の1冊として上梓されている甲斐道太郎編『大震災と法』(平成12年、同文館)をひもといてみた。

 

 

 大変なことが起こっている。想像を絶する様に言葉を失う。

 犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された方々に対して心からお見舞い申し上げます。
 
 2年前に卒業して、福島の地銀にUターン就職をした卒業生から、メールをもらった。ライフラインが寸断され、厳しい状況の中で、毎日出勤してがんばっているという。この環境下での銀行窓口では、例えば通帳・届出印の提示のない預金払戻請求など、平常考えられないような営業店事務が発生する。通常の仕事に戻るまではしばらくかかるだろう。しかし、ここでやっている一つ一つの仕事が、被災された方々の今日の生活、明日の復興への糧になっていることも忘れてはならない。

 それぞれの場で、がんばっておられる皆様方のご健闘を心からお祈り申し上げます。

 たった今、仙台市の男子予備校生(19)の逮捕状請求がニュースが流された。

インターネットの掲示板サービスに携帯電話から投稿したというものだが、彼は、最後まで「aicezuki」というハンドルネームの陰に隠れ続けることができると考えていたのだろうか。

 企業法務の世界でも、インターネットを通じた無責任な書き込みによって風評被害等を被った場合、プロバイダーに対して発信者情報の開示請求等を行い、これによって明らかになった発信者に対して責任の追及を行うことがある(この問題については、やや古くなったが、拙稿「ネット告発等による企業の風評被害とその対応」法律時報76巻11号77頁以下参照)。

 たとえハンドルネームの陰に隠れていても、その者の住所・氏名等の発信者情報は、むやみに開示されるものではないにしても、犯罪捜査の中で明らかにされることがあること、また他人の権利を侵害するケースでもその回復のために明らかにされることがあることは常識である。ハンドルネームの陰に隠れておれば、何をやってもいいと考えているのであれば、誤解もはなはだしい。犯人捜しはそんなに難しいくない。京大を受験しようとするほどのレベルの者がこのような常識をわきまえてないのは信じがたい思いがする。

 

 勤務先大学の学生・授業評価アンケートに「先生の説明はわかりやすいですか」という項目がある。わかりやすく説明することに心がけはしているが、難しい課題である。得てして法律自体にわかりやすさを求めるのは、無い物ねだりに等しい、などと愚痴も言いたくなる。
 ところが、最近読んだ、伊藤亜紀弁護士の『電子マネー革命 キャッシュレス社会の現実と希望』(2010年11月、講談社現代新書)では、2010年4月に施行された「資金決済法」が、すこぶるわかりやすくの解説されている。「資金決済法」には、主として、電子マネーの利用者を保護するルール、銀行以外の事業者による送金業務に関するルールが定められている。電子マネーや電子マネーを使った新たなビジネスの登場とともに、これらの制度インフラとして、これからますます注目されるルールになってこよう。
 私も、「資金決済法」に関連したトピックスについて、法学部HP上のコラム「ビジネス法学におこしやすpart2」第1回で簡単な解説を行ったが、「資金決済法」そのものは、それほどわかりやすい法律ではない。
 なぜか。
 一般に、新たな制度インフラはある種の妥協の産物であるが、これが制度の理解を難しくする原因のように思われる。資金決済法の関係では、コンビニの収納代行は為替取引ではないという理由で、また、電子マネーに類似する企業ポイントはオマケであるという理由で、資金決済法が適用されず、資金決済法による消費者保護のシステムのらちがいというのは、わかりにくさを加速させているように思われる。

 伊藤弁護士の『電子マネー革命』では、気弱でメタボのサラリーマン鈴木太郎、何よりもポイント集めに熱心な妻のよし子、いまふうの女子高生である娘の花子の3人を登場させ、電子マネー、企業ポイントなどめぐる事件に巻き込まれる姿を描き、これを背景にして、「資金決済法」の内容や、「資金決済法」を使った新たなビジネスの展開(ポイント交換サービスなどを発展させた電子マネー送金など)などの解説が続く。
 鈴木一家の物語は、ホームドラマを見るようで、楽しめる。それに続く解説は、資金決済法成立の過程でとられた政策判断とその問題点の解消、今後の変化の方向性も示唆しながら、未来志向でやっておられる点、やはり好感が持てる。
 話題の展開に興味を持たせようとする著者のサービス精神が、難しい内容ではあるが、その説明をわかりやすくしているように思う。

 一昨日18日は東京出張、昨日19日は第2回合格者懇談会、本日20日は大学院入試と行事が立て込み、書きたいことは多々あるが、学部公式BLOGとして運用している関係上、法学部単独の行事として取り組んだ第2回合格者懇談会について、個人的な感想を報告したい(正式な報告は、法学部のホームページに掲載される)。
 第2回合格者懇談会のテーマは「大学4年間を展望してみよう」である。どのような方法で展望してもらうか。まず、合格者(入学予定者)に、「大学4年間を、どのようにすごそうと考えていますか。自分の考えていることを文章にしてみましょう」という課題を設定、作文をしてもらい、そして、これを材料に、教員・在学生も参加して話し合ってみる。一種のグループワークで、自分で考え、これを発表し、参加した在学生や先生にも聞いてもらい、自分の考えを大学生活4年間で実現するためにはどうしたらいいか、改めて確認する、あるいは考えてみる、いい機会になったと思う。
 ただ思うに、大昔のどかな時代に学生生活を送った我々世代には、入学前のこの時期に「大学4年間を展望してみよう」って、およそ考えられない課題である。我々の頃とは違って、就職活動も厳しい。そのような状況の中、今は、スタートからはっきりした目標を持って、大学生活を送ることが要求されているということなのであろう。
 「何になる? 子供の答えは 正社員」(第一生命・第24回サラリーマン川柳コンクール)が話題になっていたが、さすがにこれを言ったものはいない。公務員・中高の教師・警察官等々が聞かれた。しかし、「なぜ?」って聞いたとき、はっきりした答えが返ってこないのが、やはり何名かいる。
 私は、それでいいと思っている。大学生活でその答えを見つける、これができれば十分ではないか。いろいろ悩み、試行錯誤を繰り返していく中で、本物の職業意識・価値観ができあがっていくことも多いだろう。大学生活4年間は、そのために必要なものを提供してくれる場でもあると思う。
 こんなことを考えながら、私にとって9回目の4月の到来を待っている。期待したいものである。

 内田樹氏の『街場の大学論?ウチダ式教育再生』(2010年12月、角川文庫)の中に、「論文は自分のために書くものではない」という一節がある。「論文というのは『贈り物』である。私たちが先人から受け取った『贈り物』を次の世代にパスするものである」ということらしい。「パスするとき、『何か』を付け加えないといけない」こと。そのまま差し出すのは、「rudeなふるまい」という。何を付け加えるか、そこに筆者のオリジナリティが出てくるのであり、読み手の期待もそこにある。

 ここのところ、大学院生の修士論文、学部生の卒業論文につきあうことが多い。自分の勉強ぶりをアピールすることだけを目的に書いたものなのか。読み手の存在を無視するかのような論文に出会うと、内田先生の本に付箋を付け、そっと渡してやりたい気持ちになる。

 さて、私の論文は?
 今日、商事法務さんから、拙稿「所有権留保における留保所有権者の担保権者としての地位」が掲載されたNBL947号が、大学あて送られてきた。私が最も価値を置いている視点は、「実務」(主として、金融取引実務)である。世間の動き、法律・判例、または行政の対応等さまざまな変化に対応して、「実務」は、どう変えるべきか、従来のまま維持すべきか、何が問題になるのか、これらに関心を持つ。願わくば、「実務」をリードするような仕事ができれば、私としては満足である。このような視点からまとめる私の論文は、先行の研究に付け加えるべき自分のオリジナリティの意味は、世の中の学者の先生方とは異なる。
 こんなことを考えながら、拙稿を改めて読み直してみる。(上述の意味で、公にする価値があるものかどうか、この評価は、読者諸氏に委ねたい。)

 今後の研究計画として、いくつかのプランがある。その一つは、金融商品販売に際して問題となる「適合性原則」である。
 金融機関の職員が、顧客に対して金融商品を販売するからには、その顧客にふさわしい商品をセレクトするのは基本中の基本、実務では最も気を遣うところである。法定事項かどうかにかかわらない。販売にあたって、顧客にあった金融商品かどうか一所懸命考えない金融機関職員はいないだろう。しかし、適合性原則違反を認めた裁判例は少なくない。なぜ、こんなことになるのか。どこに落とし穴があるのか。金融機関職員が金融商品販売にあたって考えねばならないことを明らかにしていきたい。そして、この点が先行研究に付け加えるべき私のオリジナリティである。

 

 本日2月9日と10日の2日間、合同企業説明会が開催されるP1000059.JPG。9日69社・10日71社、本学の就活支援行事としての取組みとしては、最大級の規模のものと思う。ここまでの仕事をしてこられたキャリアサポートセンターのスタッフの皆様のお仕事に敬意を表したい。
 参加学生のほとんどはリクルートスタイルの3回生。厳しいといわれている現状をよくわきまえ、例年以上に緊張感が見られた会場であった。何とか成果か上がってくれることを期待するばかりである。

(写真は私が撮影した。会場内のブースでは人気のあるコーナーとそれほどでもないところがある。私なら、人があまりいないところに行くのだが・・・・・・。)

 

 ところで、今週月曜日に発刊された週刊ダイヤモンド2月12日号に、「就活の虚実」と題する特集が掲載されていた。
 その中で、驚くほど社会常識に欠ける学生の存在、例えば、合同説明会のブースに来て、質問もしないばかりか、「何か自分に聞くことはないか」と尋ねてきた学生が紹介されている。信じられないところであるが、もしこれが事実ならば、「大学で何を教えているの?」という批判は免れがたい。
 逆に、企業の人事サイドとしては、「就活エリート」「就活マシーン」と呼ばれる学生の排除が一つの課題になっているという座談会記事も掲載されている。企業相手に就活をしようとする学生がわきまえておくべき常識、身につけておくべき資質はあろう。しかし、そのためだけに種々のノウハウを身につけ、薄っぺらな優等生になっても、それによって就活で企業に受け入れてもらいやすくなるというわけではなかろう。ここでも、「大学で何を教えているの?」が問われる。

 「大学で何を教えているの?」
 いろんなモノの言い方が可能だろう。
 ただ一つ私の実感として言えることは、ごく一部の例外を除いて、大学生は入学してから4年後の卒業までに、生きていくために必要な実に多くのことを学んでいる。これは紛れもない事実である。
 就活のスタートにあって、こんな自信を持つことも必要と思う。

  今朝、バスを降りると、思いがけず雪景色が目に入った。昨日  の夜半に降ったらしい。雪かきをしておられる作業員の方には申し訳ないが、きれいだ。本年度最終の授業日に臨む私をきれいな化粧をして迎えてくれているように思えた。
 そうする中、就活戦線で苦戦を強いられた4回生ゼミの何人かがやってくる。4月以降が必ずしも第1志望ではないだけに、このまま進んでいいのか悩みもある。しかし、立ち止まることなく前に向かって進んでいけば、何とかなる。私もそんな生き方をしてきた。たくましく生きてほしい。
 また、担当の講義科目についても、本年のセメスターから採用されている15回目を終えた。知識を追いかけるだけではなく、大人としてのものの見方や問題解決法、さらには勉強の方法なども若い人たちに伝えたいと考え、いろいろと工夫をしたつもりであったが、その成果はどうだっただろうか。定期試験が来週に予定されているせいか、いくぶんか真剣さが感じらた。その定期試験のできばえは、私の仕事の成果も試されているようで、気になる。
 夕刻、講義を終えて窓の外を見ると、すっかり雪は溶けたようである。明日から、少しずつ、新たな気持ちで、次年度の授業の準備にかかることとP1000056.JPGしたい。

 なお、私事ながら、私にとって二人目の孫がつい先日誕生した。長男夫婦は「広絆」と名付けた。人と人を繋ぐ絆。これを広く持ちながら生きていってほしいということだろうか。20年単位で考えれば、私が日頃付き合っている学生諸君の次の世代に生きることになる。世代間でしっかりとバトンタッチできるよう、気持ちを引き締めて臨んでいくこととしたい。

 

 大学教員の仕事といえば、学生の教育は一つの柱であるが、それ以外に自らの知識・経験を世間にアウトプットするのも重要さにおいては同等である。[むしろ、評価という点では後者の方にウエイトが置かれているように感じられる。]

 後者に関して、最近、2点が実現した。いずれも書籍である。P1000045.JPG

 一つは、椿寿夫・堀龍兒・河野玄逸編「法人保証・法人根保証の法理?その理論と実務ー」(商事法務)。私は、「表明保証」と題する論文を寄稿した(写真の一番上がその抜き刷りです)。

 二つは、竹濵修編「基礎クラス+α 会社法」(法律文化社)。会社設立の章を担当した。

 前者は、ここ数年、追いかけていた研究テーマである。本稿で一区切りつけたいところであるが、民法改正論議との関連では、不実表示規制との関係が問題になっている。本稿でも若干言及したつもりであるが、さらに考えてみる必要があろう。

 後者は、各章の導入部にstoryを置く。私は、若者たち仲良し3人組の起業物語を書いた。「夢追フード・デリバリー・システム株式会社」という宅配弁当の会社である。この会社が今後どんなふうに成長していくのか。このプロセスの中で生じる法務問題も織り込みつつ、いつか書いてみたい。

 

 

本日9日は金融法学会、明日から2日間は10・11日は私法学会。それぞP1000035.JPGれ北海道大学で開催される。私は、8日の講義がなかったので、8日朝に伊丹空港を出発して、当日こる頃に札幌入りをした。
 この地を訪れるのは何年ぶりだろか。幸い天気もよく、気温も京都より少し低い程度。いまだ暑さが残る京都と比べれば、快適なくらいである。しばしの観光を楽しんだ。掲載の写真はその時のものである。
 さて、金融法学会・私法学会は、いずれも最先端の議論に参加することにより、貴重な情報インプットの機会。また、全国で大学や研究機関で活躍する友人たちとの懇親の機会である。
 本日の金融法学会は、「金融危機とその後の対応」がシンポジウムのテーマである。ザブプライムローン問題からリーマンショック後の金融危機について、金融規制の観点から、何が原因で危機が発生し、どのような対応策が必要なのか等を検討するものである。相対型金融から市場型間接金融への大きな流れの中で、後者に対する規制が十分でなかったことが問題の焦点という点では何ら異論はない。
 これに対して、岩原紳作先生・池尾和人先生を中心に、刺激的な議論が展開されたが、法制化の展望は今ひとつ定かではない。この議論がどう発展するか、今後の注目点である。

 

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