2010年9月アーカイブ

 現地に住むと体感として理解できる単語などがある。私にとっては「地階:Basement」などがそうであった。日本でも略語として「B」が使用されている。住んでいるCommonwealth Houseの地階(Basement)には、Wardenの事務室、共用の居間、シャワー室、洗濯場などがあるが、街なかを歩いていると地階部分にはたいてい道路の側溝から、太陽の光を地下窓に取り入れるようになっており、道路からも地階部分が見える。住宅地の方では、地階部分が少し上がり半地下状態になり、1階(ground floor)の玄関には少し階段を登っていく造りの建物も散見される。写真の敷地(Banbury Rood沿い)のようにあえて庭の土地をなだらかに掘り下げ地階部分の日当たりを十分に確保し、1階玄関までは道路から橋をかけるような瀟洒な建物もある。「ああそうか、地階(Basement)って土台(base)ってことなんだ」。地階が目に見えて存在するので、あたり前のことに変に感じ入ってしまった。

バンブリーロード.JPG

 「第4日曜日は教会で月1回のランチがあるので、一緒に行かないか?」と副学寮長・管理人(Deputy Warden)のT氏からお誘いを受けていたので、社会勉強にもなると思って連れていっていただくことにした。Commonwealth House同宿のイギリス人神学生J君とタイから来ている理系院生S君らと連れ立っていった。J君はいかにも神学を勉強していそうな内省的な青年である。言葉もよく選んで話すような風情がある。実は私は、教会というのはCommowealth Houseが属している、すぐ隣のSt.Aldate's教会かとてっきり思っていたのだが、そうではなくて近くのローカルなJams Street Churchというアングリカン・チャーチ(英国国教会)であった(写真:教会のパンフレット)。「私は、クリスチャンではないが、一緒に行ってもよいのか?」とT氏とJ君に尋ねたのだが、「フレンドリーな教会なので問題ない」ということだったので、日本から持参した英和対訳の新約聖書をポケットに入れて出かけてみた。  

教会パンフレット.JPG

 宿としているCommonwealth Houseの副学寮長・管理人(Deputy Warden)であるカナダ出身T氏の主催でWitney(写真下:Witneyの街並み)への小旅行が企画されたので、参加してみた。総勢20人ほどのグループである。Witneyは、Oxfordの北西にあり、バスで5ポンドほどで往復できる近場の街である。'Teddy Bears of Witney'という有名なテディ・ベアの店などもある。Commonwealth Houseは、多くの国々の人々が住んでいることもあり、時々催しものを行って親交を図っているようである。到着してすぐの9月上旬にも、古株の住人の方を主催者としてホームパーティがあった。Houseの住人達の全容は未だ十分把握できていないが、Oxfordにある 寮ゆえ国際色豊かである。大学院生や私のような客員研究員などが多いようであるが、ざっと会話しただけでもイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、セルビア、インド、パキスタン、南アフリカ、東ティモール、中国などの国籍の人々が家族連れを含めて暮らしたり、Houseと関係を保っている。Witneyの街並み.JPG

 

 本日、ホスト(スポンサー)になってくださったJoshua Getzler博士(Reader in Legal History)を、ご所属のSt Hugh's Collegeに訪ねた。Getzler先生は学部及び大学院において、'History of English Law'や'Property and Trust'、'Law & Finance'関係など、幅広い科目を担当されている。私の興味分野であるFiduciary Dutyにもご造詣が深いので、ホストを担当していただくことになったのではないかと推測される。客員研究員(senior academic visitor)であるので、もちろん自分で研究を進めなければならないが、大学側でホストをつけてくださるので、ある程度の相談ができるしくみになっている。(写真下:St Hugh's Collegeのlodge付近)

St Hugh's 玄関.JPG 

 住んでいる場所から200メートルほどの所にあるカーファックス(Carfax)タワーのすぐ横で(というかすぐ下と言うべきか)、朝食(Full English Breakfast)を食べた(その名もCarfax Cafeという店である)。説明するまでもないが、ソーセージ、卵、豆類、焼きトマト、マッシュルームがたっぷりのっている。どうやらHalf English Breakfastというのもあるようだ。カーファックス・タワーは、クォーター・ボーイという人形が組み込まれた時計が15分おきに時を告げている。Carfaxは、ラテン語quadri furcusからきているそうで「四つ辻」という意味だそうである。なるほど、Cornmarket Street、Queen Street、High Street、St.Aldate's Streetが交わっていて、街の(商業的)中心であることがうなづける。北の方に向かって伸びているCornmarket Streetは、いろいろな有名店が軒を並べており、歩行者専用道路(pedestrian area)であるので、いつも多くの観光客などで、ごったがえしている。日本的には歩行者天国状態である。

(写真下:カーファックスからHigh Street方向を観る。)

カーファクスから1.JPG

 しばらくの間、居住しているCommonwealth Houseのインターネット接続が不具合であったため、自分の書き物に集中してしまった。しかし、法学部図書館などには外出するので、少しづつ街の様子がわかってきた。実際生活するには、観光スポットよりも、医院やクリーニング屋や理髪店やらの場所を知ったり、高級レストランよりも、食事を待つ間にちょっと静かに読み物ができるような気軽な店を見つけ出すことが必要である。それから、あまり観光客や買物客でごったがえさない通学路も。

 大通りであるHIgh Street(The High)をあえて通らずに、法学部図書館(Bodleian Law Library マートンコリッジ.JPG)に行く道も数ルート確定してきた。その1つが、自分の部屋を出たらSt. Aldates Streetを横切り市役所隣接のオックスフォード博物館(見学無料)横のBlueboar Streetに入り、石畳のMerton Streetを通っていく道である。このMerton Streetも観光スポットには違いないが、High Streetに比べれば格段に静寂である。この通りには、日本の現皇太子殿下が在学されたことでも有名なオックスフォード最古のカレッジの1つでもあるマートン・カレッジ(Merton College)がある。左写真は、土曜日の図書館帰りに、無料一般開放していたので見学させていただいた時のものである。 

 宅急便で最後に日本から送った荷物の一部はまだ届いていないが、週末で凡そ部屋の片付けを終えれたため、本日、法学部のPersonnel OfficerであるEmma Gascoigneさんに会いにいった。図書館に入るためにも必要なUniversity cardやEメールアドレスなどを受領するためである。宿にしているSt.Aldatesは、街の西南だが法学部のあるSt. Crossは街の北東方面なので、自然カレッジ群を通り抜けて行くことになる。小道はまだ把握できていないので、High Street(The High)に出て、St. Mary's Churchを過ぎたら左に折れ、ため息の橋(Bridge of Sighs:Hertfortカレッジの新旧中庭をつないでいる:写真下)を見たら右手に折れHolywell Streetを通った。ところどころで、あまりに観光客が多過ぎ辟易してしまうところは、京都にいる時と何か似ている。

ため息の橋.JPG

 東京成田空港からロンドン・ヒースロー空港へ。ヒースローで一泊、ターミナル5よりオックスフォード・バスに乗った。途中、のどかな田園風景や羊の群れなどを見ながらバスは進み、1時間強でオックスフォードに到着した。宿泊場所となっているSt Aldates ChurchのCommonwealth Houseは、町の中心部にあるので、バス停High Streetで下車した。バス代金は20ポンドであった。Warden(学寮長・管理人)は休暇中であったので、同Houseに宿泊しているフランス人の方に、Deputy Wardenを呼んでいただき、挨拶と宿泊場所の説明を受けた St Aldates Church.JPG

St Aldates Churchは英国国教会だが、Commonwelth Houseはその付属施設であり(左写真:手前が教会、奥がHouse)、学生や私のような客員研究員(Academic Visitor)に宗教にかかわらず寮として宿を提供している。

  この教会が面している通りがSt Aldates Streetであるが、この通りをはさんで大聖堂とカレッジを合わせ持つクライスト・チャーチ(Crist Church)がある。カレッジの食堂グレート・ホールが、映画『ハリー・ポッター』に出てくる魔法学校の食堂のモデルになったことや『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルがこのカレッジで数学を教えていたことなどでも有名である。大聖堂は町の中心的な教会であり、ここのトム・タワーの鐘は、平日・土日とも朝8時から夜9時過ぎまで、1時間毎に鳴る。最後の夜9時5分は101回鳴るが、101回鳴るのは、設立当初の学生数が101名であったことからとか。なにやら日曜でも寝坊せず朝8時にはベッドを離れることになり、毎夜9時5分を過ぎるとバスルームにでも行こうかと考え、生活が規律正しくなったようである(写真下:Houseの部屋の窓よりクライスト・チャーチ(トム・タワー)を観る)。

窓からの風景.jpg 

 

 

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